映画『ラストマイル』を観て、心揺さぶられているそこのあなた
特に満島ひかりさん演じる舟渡エレナの存在感、凄まじかったですよね
今回は、そんな謎多きヒロイン、エレナに焦点を当てて、彼女のキャラクター設定から巷で囁かれる「共犯説」、そして気になる最後の結末や、あの印象的なファッションまで、僕なりの考察を交えながら深く掘り下げていきたいと思います
ラストマイル(映画 )考察|舟渡エレナはどんなキャラクター?
巨大物流倉庫「デイリーファスト」に関東センター長として颯爽と現れた舟渡エレナ
着任早々、連続爆破事件という未曾有の事態に直面しても、会社の利益や稼働率を最優先し、「止めませんよ、絶対」と力強く言い放つ姿は、まさにブルドーザーのようでした
その冷徹さや、部下である梨本孔(岡田将生)をも駒のように使う姿に、正直、最初は「なんて人だ…」と思った人も多いんじゃないでしょうか
でも、物語が進むにつれて彼女の過去が明らかになります
かつて仕事に全てを捧げた結果、心身を病んで3ヶ月も休職していた経験があったこと
「1年目はやりがいを感じた
2年目は順調
3年目、眠れなくなった
」
この一言に、彼女が抱えてきた苦悩の全てが詰まっている気がして、胸が締め付けられました
彼女はただ冷たいだけのキャリアウーマンじゃない
むしろ、誰よりもこのシステムの歪みと苦しみを、その身をもって知っていたんですよね
ラストマイル(映画 )ネタバレ考察|エレナは共犯?
さて、多くの人が気になっているであろう「エレナ共犯説」
ネットの考察動画なんかでも、まことしやかに語られていますよね
確かに、彼女の行動には怪しい点がいくつもありました
事件の鍵を握る山崎佑(中村倫也)のデータをこっそり削除したり、警察への報告を意図的に遅らせたり、そもそも4年前にニューヨークで犯人の筧まりかと会っていたり
これだけ見ると「黒幕か…?」と思ってしまう気持ちも分かります
でも、僕は断言したい
エレナは、絶対に共犯なんかじゃない
この物語には、『アンナチュラル』や『MIU404』から続く一貫したテーマがあります
それは「生きて、道を逸れるな」ということ
どんなに辛くても、理不尽でも、人としての一線は越えてはいけない
そんな強いメッセージを掲げる作品の主人公が、無関係な人々を危険に晒すテロ計画に加担するなんて、あり得ないと思うんです
彼女の不可解な行動は、むしろ復帰直後のプレッシャーや、過去にまりかの訴えを真摯に受け止めなかった自分への後悔、そして会社という巨大なシステムの中で身動きが取れずにもがく「人間の弱さ」の現れだったんじゃないでしょうか
最終的に彼女は、過去の過ちも全て受け入れた上で、自分の職を賭してでも正しいと信じる道を選びました
それこそが、この物語が描きたかった「希望」なんだと僕は信じています
ラストマイル(映画 )ネタバレ考察|エレナの最後は死亡?
これもまた、一部で心配されているようですが、安心してください
エレナは死んでいません
物語のラスト、彼女はストライキを主導した責任を取る形でデイリーファーストを解雇(あるいは辞職)されます
でも、その時の彼女の表情は、どこか晴れやかでしたよね
全てのしがらみから解放され、自分の足で新たな一歩を踏み出す、そんな強さを感じさせるラストでした
ちなみに、この事件で命を落としてしまったのは、犯人である筧まりか本人です
彼女はホームレスの戸籍を買い、最初の爆発の被害者として、自らの命を絶つことでこの計画を始動させたのです
その壮絶な覚悟を思うと、言葉を失います…
ラストマイル(映画 )ネタバレ考察|エレナの服装・指輪
エレナのファッション!服装や指輪に込められた意味
最後に、エレナの魅力から目が離せなかったもう一つの理由、それは彼女のファッションです
SNSでも「可愛すぎる」「真似したい!」と絶賛の嵐でしたよね
燃えるような赤いトレンチコート、ダボっとした白いケーブルニット、そして何より印象的だったのが、両手にじゃらじゃらとつけられたゴツい指輪
あれらは単なるオシャレじゃなくて、彼女が自分を強く見せるための「武装」であり「戦闘服」なんだという考察には、深く頷かされました
巨大な組織の中で自分を保つための、いわば虚勢の現れだったのかもしれません
ちなみに、あの特徴的な指輪のブランドは、ミラノのジュエリーデザイナーである monica castiglioni(モニカ・カスティリオーニ) のものだそうです
映画の影響で売り切れが続出しているとか
分かる、僕もちょっと欲しくなりましたもん(笑)
彼女のファッションは、エレナという複雑なキャラクターの内面を見事に映し出していました
まとめ
『ラストマile』は、ただのサスペンス映画じゃありません
現代社会が抱える歪みと、その中で必死に生きる人々の姿を描いた、力強いメッセージを持った作品です
エレナという一人の女性の生き様を通して、僕たちは何を考え、明日からどう行動するのか
そんな問いを、ずっしりと、でも温かく投げかけてくれる
そんな映画でした