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映画「国宝」ネタバレ考察|春江はなぜ俊介と結婚した?

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国内ドラマ・映画

皆さん、こんにちは!

映画大好きブロガーの僕が、最近話題の映画「国宝」について、深掘り解説していこうと思います。

この映画、観終わった後もずっと頭から離れないんですよね。

特に、主人公・喜久雄を取り巻く人間関係、中でも女性たちの選択には「なぜ?」と考える方も多かったのではないでしょうか。

今回は、皆さんが気になっているであろう「喜久雄のことをあんなに好きだった春江はなぜ俊介を選んだのか」という疑問を中心に、喜久雄と春江という二人の人物に焦点を当てて、僕なりの解釈を交えながら語っていきたいと思います。

きっと、この映画を観たあなたの心にも、新たな景色が広がるはずです。

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映画「国宝」ネタバレ考察|春江はなぜ俊介と結婚した?

春江が俊介を選んだ、その複雑な女心

映画「国宝」を観て、多くの人が「え、なんで春江は俊介と結婚したの?」って疑問に思ったはずです。

長崎時代から喜久雄と深く愛し合い、お揃いの刺青まで背中に入れた仲でしたから、僕も最初は驚きました。

でも、彼女の選択には、喜久雄への深い愛情と、歌舞伎という特殊な世界で生きる男たちへの理解、そして彼女自身の強さが詰まっているように感じました。

春江は、喜久雄が歌舞伎の芸に没頭していくにつれ、彼が「芸に全てを捧げる姿」に寄り添い続けることが難しくなっていったのです。

喜久雄にプロポーズされた時も、彼女は直接的な返事を避け、「私が一番のご贔屓になる」と答えています。

これは、僕の個人的な感想ですが、彼女が喜久雄に「もう一度、本当に私と結婚したいと言ってほしい」と願っていた、そんな女心が隠されていたのかもしれません。

ですが、喜久雄の心は芸一筋で、その願いは届きませんでした。

そんな中、才能の壁にぶつかり、家から逃げ出して心を折ってしまった俊介の姿を春江は目の当たりにします。

俊介の弱さや孤独を感じ取った春江は、彼に寄り添う道を選んだのです。

ある意味、春江は「救える人を救う」という道を選んだのかもしれません。

映画の中で、俊介の手にそっと手を添える春江の姿は、とても象徴的でした。

彼女は、喜久雄の持つ圧倒的な「芸」の輝きに、自分自身が邪魔になるのではないか、あるいは、その輝きを「一番の特等席」から見守る存在になりたい、と考えたのかもしれません。

さらには、少し踏み込んだ解釈になりますが、春江は喜久雄がいずれその任侠の出自によって歌舞伎界で苦境に立たされることを予見していた可能性も示唆されています。

もしそうなった時、喜久雄を歌舞伎の世界に引き戻せるのは、梨園の血を引く俊介しかいない。

だからこそ、俊介の妻になることで、最も喜久雄を支え、時にはコントロールできる立場を得ようとした、という見方もできるのです。

彼女は実際に、喜久雄が歌舞伎界に戻るきっかけを作り、彼の主演舞台を実現させる手助けをしています。

一見、不可解に見える春江の行動の裏には、喜久雄への変わらぬ、しかし形を変えた深い愛情と、非常に賢明で強かな女性としての覚悟があったのだと、僕は思います。

映画「国宝」主人公・立花喜久雄とはどんな男だったのか

この映画の核となる主人公、立花喜久雄。

彼の人生は、まさに波瀾万丈という言葉がぴったりです。

長崎の任侠の家に生まれ、十五歳の時に抗争で父親を目の前で亡くすという壮絶な経験をします。

しかし、彼は生まれ持った美しい顔立ちと、天性の舞踊の才能がありました。

その才能を見出され、上方歌舞伎の名門・花井半二郎に引き取られ、歌舞伎の世界へと足を踏み入れます。

そこで出会ったのが、半二郎の息子で同い年の御曹司・俊介。

血筋も生い立ちも正反対の二人は、兄弟のように、親友として、そして時には激しく競い合うライバルとして、共に芸の道に青春を捧げていきます。

喜久雄はめきめきと頭角を現し、やがて俊介の芸を凌駕するほどの才能を開花させます。

師匠である半二郎は、自身の代役に実の息子ではなく喜久雄を指名し、喜久雄は三代目花井半二郎の名を継ぐことになります。

しかし、彼の人生は順風満帆ではありませんでした。

元ヤクザの出自や背中の刺青、そして隠し子の存在が週刊誌に報じられ、後ろ盾を失った彼は歌舞伎界から干されてしまいます。

それでも彼は舞台に立ち続けようとします。

劇中では、子供である綾乃に対して「もっと歌舞伎が上手くなるように悪魔と取引した」と語るシーンがあり、その芸への執念は常軌を逸していました。

家族や名声さえも犠牲にして、芸を極めることに全てを捧げる、まるで「芸の化け物」のような存在になっていきます。

彼の芸は神域に達したと言われるほどになり、最終的には人間国宝に選出されます。

喜久雄が晩年に「景色を探し続けている」と語るシーンは、彼の人生の終着点とも言えるでしょう。

それは、雪が降る夜に父が命を落とした、あの壮絶で美しい風景と、彼自身の芸が重なる瞬間を探し続けていたのかもしれません。

彼の人生は、芸と血筋という呪縛の中で苦しみながらも、ひたすらに舞台に生き、その中でしか生きられなかった、ある意味では悲劇的でありながらも、究極の美を追い求めた「国宝」そのものだったと、僕は感じました。

福田春江:喜久雄を支え続けた強き女性

福田春江は、高畑充希さんが演じた女性で、喜久雄の人生に深く関わる重要な人物です。

彼女は長崎時代からの喜久雄の恋人であり、彼のことを心から愛していました。

その証として、二人はお揃いの刺青を背中に入れています。

喜久雄が歌舞伎の世界へと足を踏み入れてからも、彼女は彼の後を追って大阪へ移り住み、水商売で働きながら喜久雄を陰ながら支え続けます。

彼女は、喜久雄の芸への執着が強まるにつれ、彼の隣にいることの難しさを感じていきますが、それでも彼の舞台を「一番の特等席」から見守ることを選びます。

俊介が歌舞伎界から姿を消し、落ちぶれてしまった時には、その弱さに寄り添い、彼を支える道を選び、俊介と結婚し、息子・一豊をもうけます。

この選択は、前述したように、喜久雄への形を変えた深い愛情から生まれたものでした。

彼女は、時に謎めいた、しかし一貫した行動原理を持つ女性として描かれています。

竹野が喜久雄を悪者に仕立てて俊介を復活させようとした際も、春江は竹野と同じく、血統主義の歌舞伎界で喜久雄を輝かせるために、俊介のそばにいることが最善だと判断したのかもしれません。

彼女の言動は、全てが喜久雄を歌舞伎役者として輝かせたい、という一途な思いに繋がっているように思えます。

僕から見ても、春江は、ただの恋人という枠には収まらない、非常に芯が強く、したたかで、そして何よりも愛情深い女性でした。

彼女がいたからこそ、喜久雄はあそこまで芸の道を突き進むことができた。

そう考えると、彼女もまた「国宝」級の輝きを持っていたと言えるのではないでしょうか。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

映画「国宝」は、一度観ただけでは捉えきれない、様々な感情や人間関係が複雑に絡み合った、まさに「国宝」のような作品だと僕は感じています。

この記事が、皆さんの「国宝」の世界をより深く理解するための一助となれば嬉しいです。

ぜひ、もう一度劇場に足を運んで、彼らの人生と、その裏にある深い人間ドラマを感じてみてくださいね。

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