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ドールハウス(映画)ネタバレ考察|不審者が芽衣(めいちゃん)の死因に関係?

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国内ドラマ・映画

映画「ドールハウス」について調べている皆さん、こんにちは。
僕も先日、この作品を映画館で観てきたんですが、正直、想像の5倍くらい怖かったですよ。

でも、ただ怖いだけじゃない、奥深いテーマが詰まっている作品だったので、今回は皆さんの疑問を解消しつつ、僕なりの考察も交えてじっくりと語っていきたいと思います。

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「ドールハウス」基本情報:これだけは知っておきたい!

この映画、まず驚くのはその監督ですよ。
「ウォーターボーイズ」や「スウィングガールズ」といった、僕が大好きなコメディ映画の巨匠、矢口史靖監督が手掛けているんです

まさか矢口監督が本格ホラーを撮るとは思いませんでしたよね。

でも、その期待を裏切らない、いや、良い意味で大きく超えてくる仕上がりになっていました。

公開は2025年の6月13日でしたね。
ジャンルとしては制作側は「ドール・ミステリー」と銘打っているんですけど、蓋を開けてみれば、がっつりホラーでした

むしろ、油断して観ると本当に怖い目に遭うかもしれません。

実際、僕も「ゾクゾクするドールミステリー」って言葉に騙されて、心の準備なしに観に行ったら、劇場でブルブル震えましたからね。

主演は長澤まさみさん。
悲劇に見舞われた母親、鈴木佳恵役を演じているんですが、彼女の演技がもう凄まじいの一言です。

絶望に打ちひしがれる姿から、人形に執着する狂気、そして最終的な表情の変化まで、まさに七変化という感じで圧倒されました。

夫の忠彦役には瀬戸康史さん、呪禁師の神田役には田中哲司さん、刑事の山本役には安田顕さんなど、脇を固める俳優陣も本当に豪華で、それぞれの見せ場がしっかりと用意されています。

そして、この映画、なんとポルトガルの第45回ポルト国際映画祭で最高賞の「Best Film Award」を受賞しているんですよ
世界三大ファンタスティック映画祭の一つに数えられる由緒ある映画祭での受賞ですから、そのクオリティはお墨付きです。

エンドロールで流れる、ずっと真夜中でいいのに。
の主題歌「形」も、作品の世界観にぴったりで、観終わった後も余韻がすごかったです。

ドールハウス(映画)ネタバレ考察|不審者が芽衣(めいちゃん)の死因に関係?

芽衣ちゃんの死因と不審者の関係は?

この映画の冒頭で、主人公の佳恵の5歳の娘、芽衣ちゃんが亡くなる悲劇が描かれます。
お菓子を買いに行ったわずかな隙に、自宅の洗濯機の中に入って窒息死してしまうんです

本当に痛ましい事故ですよね。

このシーン、長澤まさみさんの演技が凄まじすぎて、娘の姿が直接映っていなくても、その絶望がひしひしと伝わってきて、冒頭からもう怖かったのを覚えています。

さて、映画を観ていると、佳恵が買い物に行く途中で不審な男性とすれ違ったり、近所で不審者情報が出ていたりする描写がありますよね。
「あれ?もしかして、芽衣ちゃんの死と何か関係があるのかな?」って、僕も思わず身構えました。

「ひょっとして、不審者が家に入り込んで芽衣ちゃんを殺して洗濯機に入れたのか?」なんて疑問も頭をよぎりましたが、どうやらそうではないみたいです

この不審者の描写は、実は監督の巧妙なミスリードだったんですよ
観客に「何か悪いことが起こるんじゃないか」という不安を抱かせたり、佳恵の精神的な不安定さを際立たせるための演出だったようです。

結果的に、芽衣ちゃんはかくれんぼの最中に自分で洗濯機に入ってしまい、出られなくなったことで命を落としてしまったんです。

だから、あの不審者は直接的な死因には関係ありませんでした。
こういう巧みなミスリードを仕掛けてくるあたり、矢口監督の手腕は本当に見事だなと感心しました。

「ドールハウス」が問いかける、本当の怖さとは?

この映画のテーマは本当に奥が深くて、単なるホラー映画では片付けられないんですよね。
まず、根底にあるのは、娘を失った母親の「喪失感」と「執着」です。

佳恵は芽衣ちゃんを亡くした悲しみから立ち直れず、セラピーに通うんですけど、骨董市で芽衣ちゃんによく似た日本人形「アヤ」を見つけて、それを溺愛することで心の平穏を取り戻します。

「ドールセラピー」なんて言葉も出てきましたよね。

でも、新しい娘の真衣が生まれると、人形への関心が薄れていき、アヤは箱にしまわれてしまいます。

ここからが本当の恐怖の始まりなんです。

アヤ人形の正体は、かつて虐待の末に命を落とした少女「礼」の遺骨を使って作られた人形でした
彼女は実の母親に無理心中させられ、一人だけ亡くなってしまったという悲惨な過去を持っているんです。

だから、アヤは「愛されたい」という純粋な願いと、「虐待された過去への復讐」という二つの感情を同時に抱えている存在なんです。

映画全体を通して描かれているのは、「間違えなければ大丈夫」という現代社会の私たちの「公正世界仮説」が、いかに脆いかという点です。

私たちは、自分たちが正しい行動をすれば、理不尽な不幸は避けて通れると思いがちですよね。

でも、この映画は、いくら注意していても、防ぎようのない理不尽な悲劇が弱者に押し付けられる現実を突きつけます。
アヤも、真衣ちゃんも、親の都合や思い込みによって理不尽な目に遭っていくんです。

特に衝撃的だったのは、ラストシーンです。
人形を母親の墓に戻してすべて解決したかと思いきや、それは主人公夫婦が見せられた幻覚だった。

本当の真衣ちゃんは車の中にいて、両親はアヤ人形に操られ、ベビーカーに乗せたアヤと偽りの幸せな日常を送っている。

この結末は、僕たちの胸に深く突き刺さる「最悪のバッドエンド」だと感じました。
「間違えた」のは親なのに、その「間違い」の代償が、弱い立場の子どもに押し付けられるという、本当にやるせない展開でした。

観終わった後も、頭の中で色々な解釈が渦巻いて、考察が止まらなくなります。

この映画が「怖い」と同時に「切ない」「悲しい」と感じさせるのは、単なる怪奇現象ではなく、人間の心の闇や、親と子の間に生まれる複雑な感情を深く描いているからだと思います。

例えば、真衣ちゃんの背中にあった引っ掻き傷。
あれも、人形の仕業なのか、それとも佳恵さんの無意識の虐待なのか、観る人によって解釈が分かれる部分ですよね。

あるいは、冷蔵庫の牛乳が腐っていたシーン。
佳恵が芽衣ちゃんの仏壇を隠したことに、亡くなった芽衣ちゃんが怒ってやったことなのか、それともアヤがやったことなのか。

細部にまで意味が込められていて、何度でも観返したくなる、そんな魅力が詰まった作品でした。

僕もホラー映画はあまり得意ではない方なんですけど、この「ドールハウス」は、ジャンルを超えて、多くの人に観てほしいと心から思える一本です。

きっと、観終わった後には、皆さんも人形や子育て、そして人間の「心」について、深く考えさせられることになるでしょう。

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