「こんばんは、朝山家です。」初回、見応えがありましたね。
Google検索でこのドラマにたどり着いた皆さん、ようこそ!
30代前半、未婚の僕が、熟練のドラマ評論家として、皆さんの心に響く解説をお届けしますね。
このドラマ、ただのホームドラマじゃないんです。
こんばんは、朝山家です。(ドラマ)ネタバレ|あらすじ
まず、初回「朝山家の長くて短い一日」のあらすじからお話ししましょう。
物語の舞台は、脚本家として売れっ子になった夫・賢太と、彼の事務所の社長を務める妻・朝子、そして高校生の長女・蝶子と小学生の長男・晴太が暮らす朝山家です。
賢太は、自分が脚本を手掛けた国民的ドラマ、通称「国ドラ」の「ムキムキ」が初回放送を迎える日で、家族みんなでテレビを見ようとソワソワしていました。
でも、時間になってもリビングにいるのは賢太一人だけなんです。
発達障がいの特性があって朝が弱い晴太は、なかなか布団から出てこられず、ぐずっています。
朝子も晴太の世話と家事、そして自分の仕事の準備で大忙しです。
反抗期真っ只中の蝶子にいたっては、お父さんの仕事にも「国ドラ」にも、まったく興味がない様子で、このあたりがまたリアルでね。
賢太の自己中心的な行動に、家族みんながイライラを募らせていくんです。
結局、賢太は一世一代の晴れ舞台を寂しく迎えることになりますが、朝子から見れば、それは夫が一日中エゴサーチに明け暮れる、悪夢のような一日の始まりに過ぎなかったんです。
朝子の賢太に対する激しい罵倒の嵐は、視聴者も思わず「こんな中村アン見たことない!」と驚くほどで、その迫力に圧倒されました。
「あんたは飲んでるだけなんだから(晴太の)様子見に行くくらいしなさいよ」とか、「それくらいしかできないんだから、あんたは」といったセリフは、胸に突き刺さるものがありましたね。
そして賢太が、ネットの「ドラマウォッチャーと名乗る評論家もどきの連中」の感想に腹を立てるシーンは、脚本家自身の本音が垣間見えたようで、ゾクゾクしましたよ。
ああ、これは僕たちのことかなって、ドキッとしました。
こんばんは、朝山家です。(ドラマ)|キャスト・相関図
次に、この魅力的なドラマを彩るキャスト・登場人物たちの相関図を見ていきましょう。
まず中心にいるのは、キレる妻・朝山朝子を演じる中村アンさんと、残念な夫・朝山賢太を演じる小澤征悦さんです。
この二人の夫婦役がね、もう最高に面白いんです。
朝子は賢太のために立ち上げた事務所「株式会社ASAYAMA」の社長も務めていて、賢太の映画監督デビューを支えるプロデューサーでもあります。
まさに朝山家の大黒柱といった存在で、夫にキレながらも彼を愛し、支えようとする姿が印象的でしたね。
賢太は売れっ子脚本家でありながら、承認欲求が強くていつもエゴサーチばかり。
家事や子育てには無頓着で、朝子に激しく叱責される毎日ですが、どこか飄々としていて憎めないキャラクターです。
そして、彼らの子どもたちもまた、このドラマの大きな魅力です。
高校1年生の長女・蝶子を演じるのは渡邉心結さんです。
彼女は野球が得意なスポーツ少女で、反抗期特有の気難しい性格がリアルに描かれています。
発達障がいの弟・晴太が特別扱いされていると感じ、葛藤を抱えている蝶子の心情は、多くのきょうだい児の心を代弁しているのではないでしょうか。
小学6年生の長男・晴太を演じるのは、名子役として注目を集める嶋田鉄太さんです。
彼は発達障がい(自閉症スペクトラム症)の特性を持ち、朝が苦手で学校に行きたがらなかったり、大きな音に敏感だったりします。
朝子と賢太を振り回す存在でもありますが、嶋田さんの自然体な演技が、晴太というキャラクターに奥行きを与えています。
晴太が通う療育センターの職員・中川陸役には、Aぇ! groupの小島健さん。
彼は教育学部の出身で、その知識を生かして晴太に心を開かせる存在として、温かく見守ります。
晴太の小学校の担任・木本美樹先生役は影山優佳さん。
生徒役が多かった彼女が先生役を演じるのは初めてだそうですが、晴太の特性を理解し、彼に寄り添う姿は新人の先生ながら素晴らしいものでした。
賢太の事務所に所属する売れない俳優・中野智明役の松尾諭さんも、賢太との学生時代からの腐れ縁のような関係性がコミカルで、スパイスを加えています。
このように、朝山家を取り巻く人々が、それぞれの立場で家族の「あるある」を浮き彫りにしながら、物語をより深く、魅力的なものにしているんです。
こんばんは、朝山家です。(ドラマ)|足立紳が脚本と監督
このドラマの脚本と監督を務めるのは、足立紳さんです。
彼のプロフィールを改めてご紹介しましょう。
足立紳さんは、1972年生まれ、鳥取県倉吉市出身の脚本家で映画監督です。
日本映画学校を卒業後、名監督・相米慎二さんに師事し、助監督や演劇活動を経て脚本を書き始めました。
彼の名を一躍有名にしたのは、2015年に『百円の恋』で日本アカデミー賞最優秀脚本賞を受賞したことでしょう。
そして、記憶に新しいところでは、2023年度後期のNHK連続テレビ小説「ブギウギ」の脚本を手掛けたことで、その実力は誰もが認めるところとなりました。
今回の「こんばんは、朝山家です。」は、彼自身の連載日記「後ろ向きで進む」をベースにしていて、脚本だけでなく監督も務めているんです。
奥様の足立晃子さんも協力プロデューサーとして携わっていることからも、このドラマがいかに彼らの実体験に根ざしているかがわかります。
事実、ドラマの会見では、奥様から「(夫は)ずっと『似た匂いを感じる』と言っていた、そんなことはない!」と暴露されたり、「『俺は残念な男じゃないからさ』とかずっとグチグチ言っていた」なんてリアルすぎるエピソードが飛び出したりして、賢太と朝子の姿はまさに足立ご夫妻そのものなんだなと、僕も思わず笑ってしまいました。
彼が手掛けた作品には、売れない脚本家の夫と、彼を罵倒する妻の夫婦生活を描いた「それでも俺は、妻としたい」という小説もあります。
この小説もドラマ化され、足立さん自身が脚本・監督を務めているんです。
こんばんは、朝山家です。(ドラマ)|見どころは?
さて、最後にこのドラマの「見どころ」を熱く語らせてください。
「こんばんは、朝山家です。」最大の魅力は、なんといってもそのとてつもないリアリティにあります。
「このドラマはフィクションです。が、ほぼ実話です」というラストのテロップが示す通り、足立紳監督自身の夫婦や家族との実体験が色濃く反映されているからこそ、観ている私たちも「うちの子見ているみたい」「自分の家のことかと思った」と共感せずにはいられません。
特に、中村アンさん演じる朝子の罵倒と、小澤征悦さん演じる賢太の飄々とした掛け合いは、まさに“人間”が生活している様子をそのまま切り取ったかのよう。
二人の演技は本当に見事としか言いようがありません。
そして、社会問題にも目を向けている点が素晴らしいです。
晴太の発達障がいという特性、それに対する学校の先生たちの温かい対応、そして何より、発達障がい児のきょうだいが感じる「わたしだってしんどい」という葛藤をここまで深く描いているドラマは珍しいのではないでしょうか。
これは、ただのコメディでは終わらない、私たちに「家族ってなんだろう」「多様性とは」と問いかけるメッセージが込められているように感じます。
また、多くの視聴者が指摘しているように、このドラマは先に放送された「それでも俺は、妻としたい」と非常に似た世界観を持っています。
同じ脚本家、同じような家族構成、そして何より、嶋田鉄太くんが同様の不登校気味の息子役で出演しているという共通点。
これは、足立紳監督が描く「夫婦のリアル」が、異なる視点やマイルドな表現で再構築されたものとして楽しむことができる、という点で非常に興味深いです。
「それでも俺は、妻としたい」がかなり衝撃的な内容で、読む人を選ぶと評される一方で、この「こんばんは、朝山家です。」は、もう少し間口が広く、誰もが共感しやすい夫婦の形を描いているように感じます。
喧嘩ばかりの朝山家ですが、観ていて決して不快にはなりません。
むしろ、クスッと笑えて、登場人物たちが愛おしくなるんです。
まとめ
彼らがこれからどのように家族の難題を切り抜けていくのか、賢太の映画企画「夜山家の人々」はどうなるのか、目が離せません。
皆さんもぜひ、この「ほぼ実話」のドラマから、あなた自身の家族の形について考えてみてはいかがでしょうか。
僕も毎週、彼らの奮闘を心から楽しみにしています!