皆さん、こんにちは!
最近、巷で話題沸騰中のクライムサスペンス、遠藤かたるさんの小説『推しの殺人』について、じっくり深掘りしていきますね。
タイトルからして衝撃的で、「もし推しが殺人犯だったら?」なんて問いかけにドキッとさせられる作品ですもの。
この作品は「このミステリーがすごい!」大賞の文庫グランプリを受賞した傑作で、実際に2025年10月からはドラマ化もされていて、今、最も熱い考察案件の一つなんですよ。
私も初めて読んだ時は、そのスリリングな展開にページをめくる手が止まらなくなって、たった2日間で一気読みしちゃいました。
今回は、この魅力的な物語の核心に、ネタバレを交えつつ、じっくり迫っていきますね。
推しの殺人ネタバレ|あらすじ
■衝撃のクライムサスペンス!『推しの殺人』のあらすじ
この物語の主人公たちは、大阪を拠点に活動する3人組の地下アイドルグループ「ベイビー★スターライト」、通称「ベビスタ」のメンバーです。
結成から4年が経とうとしているのに、人気も知名度もなかなか上がらない、いわゆる「地下」の現実にもがき苦しんでいます。
メンバーそれぞれの心にも影が差していて、一人はアイドルに見切りをつけ始め、一人は人気格差に不満を抱え、さらにセンターの子は恋人からひどい暴力を受けているという、まさに団結のない危機的な状況だったんです。
しかも、事務所の社長ときたら、もう本当にひどい人で、メンバーに理不尽なパワハラやセクハラを浴びせ、ライブの後は接待まで強要するという、最低最悪のバサラ者なんです。
そんな耐え難い日々の中、事件は起きてしまいます。
メンバーの一人が、ついに我慢の限界を超えて事務所でその社長を殺害してしまうんです。
動かなくなった死体を前に、呆然とする3人。
彼女たちが下した決断は、警察に連絡することではなく、「このままではアイドル活動が終わってしまう」という恐怖から、死体を山に埋めて犯行を隠蔽することでした。
この決断が、バラバラだった3人を「共犯者」という名の強力な絆で結びつけてしまうのです。
物語は、この「殺人の隠蔽」をきっかけに、彼女たちが警察や探偵の追及、さらに記録的豪雨や監視カメラといった容赦ない危機に次々と襲われる、息をのむようなクライムサスペンスとして展開していきます。
「ライブは、死体を埋めてから――」というキャッチコピーが、この作品の全てを物語っていますよね。
推しの殺人|キャスト相関図
■個性が光る!キャストと登場人物の役割・相関図
ドラマ化に際して、ベビスタの3人を演じるトリプル主演のキャスティングが本当に素晴らしいんです。
罪を背負いながらも、必死でステージに立つ彼女たちを取り巻く人間関係は、この物語の大きな魅力の一つになっています。
ベイビー★スターライトの3人
- 高宮ルイ (演:田辺桃子さん)
- グループの古株で年長者ですが、どこか冷めていて、感情をあまり表に出さない頭脳派クール系アイドルです。
- 内心では、あるトラウマを抱えていて、アイドル活動も惰性で続けているような状態でした。
- しかし、仲間が罪を犯した時、「仲間を守るため」という理性から、隠蔽という最も危険な道を選びます。
- 早川テルマ (演:横田真悠さん)
- 見た目の可愛らしさとは裏腹に、心には激しい情熱と成功への野心を秘めた努力家アイドルです。
- 新人ながらセンターに抜擢されたイズミに対し、強い嫉妬と敵意を抱いていましたが、罪を共有したことで関係性が変化していきます。
- 彼女の原動力は「アイドルであり続けたい」という強い衝動です。
- 沢北イズミ (演:林芽亜里さん)
- 恵まれた容姿で、グループで最も人気のあるセンターを務めています。
- 裕福な家庭に育ちながらも、母親の死や父親の再婚で心に埋められない孤独を抱えていました。
- 彼女の抱える秘密、そして彼女が引き起こしてしまった殺人が、物語の始まりとなります。
物語を動かすキーパーソンたち
- 河都潤也 (演:城田優さん):
- 有名なマーケティング会社の社長で、爽やかなルックスと弁の立つ話し方でテレビでも活躍するカリスマです。
- かつてルイにアイドルの道を勧めた人物でもあり、ルイとは過去に複雑な因縁があります。
- 原作では、その紳士的な仮面の下に、女性を商品として利用し、他人の破滅を愉しむ「女衒(ぜげん)」としての恐ろしい正体を隠し持っている物語の黒幕です。
- 矢崎恭介 (演:増田貴久さん):
- 河都の大学時代の同級生で、心優しい弁護士です。
- 彼の役どころはドラマ版のオリジナルで、河都から出資を受けているという設定が、彼が敵か味方かというミステリー要素を加えています。
- 望月直哉 (演:曽田陵介さん):
- 警視庁捜査一課の刑事で、なんとルイの幼馴染。
- 彼が追っている「未解決連続殺人事件」が、ベビスタの事件と並行して描かれており、物語全体に緊張感を与えます。
- 駒場ミチル (演:なえなのさん):
- ベビスタの元メンバーで、ドラマオリジナルキャラクターです。
- イズミたちの犯行を目撃してしまい、口止め料を要求する、いわば「裏切り者」のような役割で、物語をかき乱す存在です。
推しの殺人ネタバレ考察|原作の結末
■原作小説の結末はどうなる?(ネタバレ徹底解説!)
さて、一番気になるのが原作の結末ですよね。
覚悟してください、ここからは核心に触れますよ!
イズミたちが社長殺害という一つの罪を隠蔽し、アイドルとしてなんとか活動を続けていく中で、彼女たちを追い詰めていくのが、黒幕であるマーケティング会社社長の河都潤也です。
河都は、羽浦社長の死の真相にいち早く気づき、その事実を武器に、ルイたち3人を脅迫し、自身の顧客への接待、つまり「商品」として女性を斡旋する裏稼業に引きずり込もうとします。
ルイは、過去に河都に利用されていたトラウマもあり、仲間だけは守ろうと単身で河都に立ち向かいますが、返り討ちに遭ってしまいます。
しかし!ここで、これまでいがみ合っていたテルマとイズミがルイを助けるために駆けつけるんです。
罪を共有することで生まれた3人の絆が、ここで爆発するんですよね。
そして、三人は力を合わせ、暴力に訴えてくる河都を殺害してしまうという、二つ目の罪を重ねてしまうんです。
物語のラストは、その夜に予定されていた「ベビスタ」の4周年記念ライブの直前。
二つの殺人の罪を背負った3人は、全てを知った上で彼女たちを支えると決めたマネージャーの土井に見送られ、傷だらけのままステージへと向かいます。
そして、ステージの幕が上がる直前で、物語は幕を閉じるんです。
逮捕されたり、裁判になったりといった描写は原作にはなく、彼女たちがこの後、「アイドルとして輝き続ける」という選択をした後、どうなったのかは描かれていません。
海外へ逃亡したのか、自首して罪を償う道を選んだのか、あるいは新たな隠蔽を続けているのか。
読者にその後の運命を委ねる、強烈でビターなオープンエンドなんですよね。
私はこの終わり方、彼女たちの「アイドルでいることへの狂気にも似た覚悟」が伝わってきて、ゾクゾクしました。
ドラマ版はオリジナル要素が多いため、原作とは異なる明確な結末が用意される可能性も十分に考えられますね。
推しの殺人ネタバレ考察|犯人
■犯人の正体と、悲しすぎる動機
社長殺害事件の犯人は、先ほども触れた通り、ベビスタのセンターである沢北イズミです。
彼女がなぜ、恋人でもあったはずの羽浦社長を殺害するに至ったのか、その動機は非常に悲しいものでした。
イズミと羽浦の関係は、単なるアイドルの恋人ではなく、羽浦からの激しいDV(ドメスティック・バイオレンス)と薬物の強要によって支配された、歪んだ関係だったんです。
彼女は長期間にわたり、心身ともに追い詰められていました。
事件当日、イズミは関係を断ち切ろうとしますが、酒に酔った羽浦は激高し、暴力を振るい、さらに薬物で彼女を支配下に置こうとします。
もみ合いの末、羽浦は頭を強打して気を失いますが、その時イズミの心を支配したのは、「彼が目を覚ましたら今度こそ本当に殺される」という、極限の恐怖でした。
絶望的な状況で、彼女は意識のない羽浦の首を絞め、殺害に至ったのです。
これは、アイドルという華やかな存在の裏で、一人の女性が味わっていた凄惨な虐待からの逃避、つまり追い詰められた末の偶発的な犯行だったと言えます。
だからこそ、殺人犯である彼女たちに、読者は変な言い方かもしれませんが、「惻隠の情」を抱いてしまうんですよね。
ちなみに、ドラマ版では羽浦への暴行にルイとテルマも関与し、3人で連携して殺人を犯したという描写の違いが設定されています。
推しの殺人|感想
■読んだ人の感想:ハラハラと共感の渦
この作品を読んだ人たちの感想は、総じて「スリルとテンポの良さ」を絶賛する声が多いです。
私自身もそうでしたが、本当に読み始めると止まらないんですよ!
- 「ミステリーというよりは、クライムサスペンス!」
- 犯人探しよりも、罪を隠蔽しようとするアイドルたちの逃亡劇と、それが露見しそうになる綱渡り感が出色だという評価が目立ちます。
- 「ハラハラドキドキが止まらない」
- 監視カメラ、豪雨、探偵の追及など、次から次へとピンチが訪れ、それを3人が協力して乗り越えるアップダウンの展開に、胸が高鳴ります。
- 特に、一度捜査の手が迫りながらの「ドッキリ」展開は、文章のスピード感と緊張感がすごくて、読者からも名シーンとして挙げられています。
- 「罪を共有したことで強まる絆に感動」
- 元々仲が悪かったり、センターを巡って嫉妬し合ったりしていた3人が、殺人の罪を共有したことで、逆に強固な「共犯者」としての絆を深めていく姿に心を打たれます。
- 「罪を犯してまで夢を追う」という彼女たちの姿は、狂気的でありながら、同時に「強い女性たちの生き様」を描いていると評価されています。
まとめ
■罪と輝き、彼女たちの選んだ道
『推しの殺人』は、地下アイドルというきらびやかな夢と、殺人という重い罪を同時に背負った少女たちの、壮絶なサスペンス作品です。
「アイドル」と「犯罪」という、最も相反するテーマを扱っているからこそ、読者は彼女たちの行動に惹きつけられ、目が離せなくなるんです。
そして、何よりも彼女たちの「罪を犯してでもアイドルでいたい」という狂気的とも言える覚悟が、この物語の根幹を成しています。
2025年10月からのドラマ化では、原作にはない「未解決連続殺人事件」や、増田貴久さん演じる弁護士・矢崎恭介といったオリジナルキャラクターが加わり、物語はさらに複雑でスリリングな展開を見せています。
原作を読んだ方も、ドラマの予測不能な結末を考察する楽しみがありますし、これから作品に触れる方は、ぜひ原作とドラマ両方の違いを楽しんでほしいなと思います。
彼女たちの選んだ道が「栄光」なのか、それとも「破滅」なのか。
私たちも、プロデューサーが語るように「共犯者」として、彼女たちの運命を最後まで見届けたくなりますよね。
この秋一番の注目作、ぜひチェックしてみてくださいね!
