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グッドニュース(韓国netflix映画)ネタバレ評価|あらすじ・最後の結末は?

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海外ドラマ・映画

■韓国Netflix映画『グッドニュース』徹底考察:真実はどこに着陸するのか

皆さん、こんにちは。

今日もまた、唸らされるような深く考えさせられる作品について語りたいと思います。

今回取り上げるのは、Netflixで配信されている韓国映画『グッドニュース』です。

これは1970年の「よど号ハイジャック事件」という、日本人なら誰もが知る大事件をモチーフにしているのですが、その描き方が尋常ではありません。

ブラックコメディと政治風刺を見事に融合させ、フィクションと現実の境界線を問いかけてくる、実に刺激的な作品でした。

事実は小説より奇なりとはよく言いますが、この映画を観ると、当時の政府や官僚たちのドタバタぶりがいかに滑稽で、信じがたいものだったか、改めて思い知らされます。

日本の豪華キャストも出演していますし、この混沌とした状況の中で「真実」とは何かを一緒に探っていきましょう。

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グッドニュース(韓国netflix映画)ネタバレ|あらすじ

■異常事態:無謀なハイジャックと奇策の始まり

物語の舞台は、万博景気に沸く1970年の日本。

日本の羽田空港を飛び立った日本航空351便(通称「よど号」)が、突如、赤軍派の若者たち9人によってハイジャックされます。

彼らの目的は、日本における資本主義のブルジョアジーを打倒するための武装革命の拠点作りであり、飛行機を北朝鮮の平壌へ向かわせることを要求します。

しかし、ハイジャック犯の準備は驚くほどお粗末で、平壌までの航路や燃料の計算すらできていませんでした。

機長の機転で、旅客機は一旦福岡の板付空港に着陸し、一部の乗客(女性や子ども、病人)を解放しますが、日本政府は有効な解決策を見いだせずに時間ばかりが過ぎていきます。

この時、日本側がパイロットに渡したのは、なんと「中学校の地図帳レベル」の朝鮮半島の地図だったという逸話も、映画に登場するのですが、これが史実に基づいているというから驚きです。

この国際的な危機に、韓国の中央情報部(KCIA)が介入を決意します。

KCIA部長のパク・サンヒョンは、この事件を解決することでアメリカや国際社会に恩を売り、韓国の政治的地位を高めようと目論むのです。

そこで白羽の矢が立ったのが、名前も経歴も謎に包まれた“アムゲ”(某氏、Nobody)と呼ばれるフィクサー(ソル・ギョング)でした。

アムゲが立案したのは、空軍中尉のソ・ゴミョン(ホン・ギョン)を動員し、地上から旅客機の無線を「ダブルハイジャック」するという大胆不敵な作戦です。

すなわち、北朝鮮の管制官になりすましてハイジャック犯を騙し、ソウルの金浦空港を平壌空港に偽装して着陸させようという奇策でした。

「本当に『高名』になれるぞ」と、ゴミョン中尉の名前(高名)に引っ掛けて彼を極秘作戦に引きずり込むアムゲの姿は、まさにこの映画のシニカルなユーモアを象徴していますね。

グッドニュース(韓国netflix映画)ネタバレ|終盤:欺瞞の空港で高まる緊迫感

ソ・ゴミョン中尉の管制技術とアムゲの計画により、ハイジャック機はなんとかソウルの金浦空港に着陸することに成功します。

この金浦空港を平壌に見せかけるため、アムゲは近くの映画制作セットから北朝鮮の国旗や軍服、さらには民族衣装を調達し、徹底的な偽装工作を施すのです。

しかし、ハイジャック犯たちはこの欺瞞工作にすぐに気づき、事態は一気に緊迫します。

特に笠松将さん演じるリーダーの伝次たちは、自分たちを裏切ったゴミョン中尉に面会を要求。

さらに、仲間のひとりがリーダーの腹部を自ら刺すという、常軌を逸した行動に出ます。

彼らは「リーダーが死ぬであろう明日の正午までに離陸を認めなければ、人質もろとも爆破する」と最終通告を突きつけました。

ここに至り、日本と韓国の官僚たちは保身に走り、責任のなすりつけ合いが始まります。

KCIA長官のパク・サンヒョンでさえ、アムゲの助言を受けて現場を離脱し、ゴミョン中尉に全ての責任を押し付けようとします。

山田孝之さん演じる日本の運輸政務次官・石田真一も現場に到着しますが、周りの政治家たちの愚かさに憤りを感じている様子が印象的でした。

事態が膠着する中、追い詰められたゴミョン中尉は、感情を露わにして、たった一人、飛行機に向かって走り出します。

彼のこの行動は、防衛軍が爆破を恐れて遠くに退避している中で行われたため、人質を救うという彼の真摯な決意をハイジャック犯たちにも伝えることになります。

グッドニュース(韓国netflix映画)ネタバレ|最後の結末は?

■結末:誰にも知られない英雄と偽名の代償

刻一刻と正午が迫る中、事態はアムゲの巧妙な策略によって最後の局面を迎えます。

アムゲは石田運輸政務次官を説得し、なんと石田自身が人質と引き換えに、機内に乗り込むよう促します。

この「政府の代表者自身が人々のために命をかける」という石田の自己犠牲の姿勢は、ハイジャック犯たちの心に響き、彼らは人質全員を解放しました。

そして石田政務次官は、機長や副操縦士とともに、ハイジャック犯たちを乗せたまま平壌へと飛び立ちます。

結果として、乗客100名以上は無事に解放され、後に石田政務次官とパイロットたちも日本に帰国するという、犠牲者ゼロでの事態収束を迎えます。

しかし、事件が解決した後に明らかになる真実は、ブラックコメディならではの皮肉に満ちていました。

実は、ハイジャック犯が誇示していた爆弾や武器は、ほとんどが偽物であり、彼らは最初から乗客を殺すつもりはなかったのです。

もし計画が失敗した際の「プランB」は、本物の日本刀を使った集団自決だったといいます。

さらに、国際政治の裏側では、この事件をきっかけにアメリカがソ連と朝鮮半島の統一について交渉を始めたため、韓国政府はこのハイジャック事件への関与を公にしないという決定を下します。

これにより、命がけで奮闘し、事件解決の立役者となったソ・ゴミョン中尉の功績は、公式な歴史から完全に抹消されてしまったのです。

彼は、父が朝鮮戦争で脚を失った時に受け取ったのと同じ、栄誉なき「大統領時計」をアムゲから手渡され、その理不尽な事実に打ちひしがれます。

一方、長年の間、正体不明の「誰かさん(アムゲ)」として裏で動いてきたフィクサーは、この功績によりついに住民登録証を与えられ、正式な市民としての名前を獲得します。

彼が選んだ名前はチェ・ゴミョン(崔・高名)。これは、日の目を見ることのなかった若き英雄ソ・ゴミョンへの、静かな敬意の表れだったのかもしれません。

彼の存在はこれからも「影」として、世間には知られることなく、功績と主体が分離されるという、なんとも渋い、そして悲しい結末でした。

グッドニュース(韓国netflix映画)評価

■評価:ブラックコメディの傑作か、冗長な風刺か

この作品は、非常に評価が分かれるでしょう。

韓国映画特有の、緊張感とシリアスなテーマを突き詰める一方で、それを笑いや風刺で包み込むというダークコメディのジャンルを最大限に活用しています。

私個人としては、その挑戦的な姿勢に拍手を送りたいです。

「真実は時に月の裏側に存在する。かといって表側がウソなわけではない」という、この映画が提示するテーマは、現代のフェイクニュースが飛び交う社会においても、非常に鋭い問いかけとなっています。

特に、どの国の官僚も、国家間の利害と保身のために動き回り、最も大切な人命救助さえも「点数稼ぎ」の道具にしてしまうという描写は痛烈です。

ただし、映画の尺が136分と長めで、中盤以降、官僚たちの会議シーンやジョークがやや冗長に感じられる部分があるのも事実。

テンポの良さを求める方には、少し重たく感じるかもしれません。

しかし、ソル・ギョングさん演じるアムゲの掴みどころのない魅力と、彼に翻弄されながらも誠実であろうとするホン・ギョンさん演じるゴミョン中尉の対比は、この映画の核であり、観る価値があります。

そして、山田孝之さん、椎名桔平さん、笠松将さんといった日本人俳優陣の確かな存在感が、物語のリアリティと緊迫感を高めていたのは、特筆すべき点でしょう。

まとめ

■功績は誰の手に?「名もなき人々」への問い

『グッドニュース』は、過去の歴史的事実をベースにしながらも、国家や組織の醜態をあぶり出し、「英雄」とは何かを逆説的に描き出します。

ソ・ゴミョン中尉のように、人命を救うという「正しいこと」を成し遂げても、政治的な都合でその功績が闇に葬り去られてしまう。

彼らは、アムゲ(Nobody)という名前が象徴するように、歴史の表舞台には決して現れない「名もなき人々」なのです。

この映画は、私たち観客に「あなたが信じているニュースの裏側には、誰にも知られていない真実が潜んでいる」と静かに語りかけているように感じました。

そして、その影の立役者たちが報われない社会構造に対する、痛烈な批判でもあります。

ユーモアに富んでいながらも、最後に残るアムゲとゴミョンの哀愁は、ずっしりとした重さがありますね。

単なるエンタメとしてだけでなく、当時の国際情勢や現代社会の構造について深く考えたい方に、ぜひおすすめしたいNetflix映画です。

最後までお付き合いいただいてありがとうございました。

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