「光が死んだ夏」について調べているのですね。
本当に、この作品、一度読み始めたら止まらないですよね。
私が普段からブログで映画やドラマのレビューを書き散らしているからか、あの独特の雰囲気にすっかり引き込まれてしまいました。
よしきとヒカルの関係性、そして村に広がる不穏な空気が、読者の心にじわじわと染み込んでくるんです。
それでは、「光が死んだ夏」の魅力を深掘りしていきましょう。
光が死んだ夏ネタバレ考察｜あらすじ
まず、物語のあらすじからお話ししますね。
舞台は三重県の山奥にある、どこか閉鎖的な雰囲気の集落です。
主人公の辻中佳紀（よしき）は、半年前に山で行方不明になり、一週間後にふらりと戻ってきた親友、忌堂光（ひかる）の様子に違和感を覚えるんです。
どうやら、彼の「中身」が人ではない「ナニカ」にすり替わってしまっていることに、よしきは気づいてしまうんですね。
光を失った悲しみを感じながらも、よしきは、その代わりに現れた「ヒカル」を受け入れて、これまで通りの日常を過ごすことを選びます。
しかし、彼らの穏やかに見える日常の裏では、村で次々と不可解な出来事が起こり始めます。
この作品は、青春物語とホラーが見事に融合した、本当に異色な物語なんです。
光が死んだ夏ネタバレ考察｜元ネタがある？
次に、この作品に元ネタがあるのか、気になりますよね。
実は、作者のモクモクれん先生は、高校生の頃にこの作品のアイデアを着想したそうなんです。
そして、コロナ禍で時間ができたのをきっかけに、元々構想していた話と登場人物を漫画として描き始め、2021年にTwitterで公開したところ、大きな反響を呼び、連載につながったんですよ。
物語の核にあるテーマは、哲学的な思考実験である「スワンプマン理論」もしくはテセウスの船に似ています。
これは、「ある人物が死んだ後、全く同じ見た目と記憶を持つ存在が生まれたとして、それは元の人物と同一人物と言えるのか？」という問いを投げかけるもので、「光が死んだ夏」のよしきとヒカルの関係性にぴったり重なるんです。
一方、「テセウスの船」とは、ある物体において、それを構成するパーツが全て置き換えられたとき、過去のそれと現在のそれは「同じそれ」だと言えるのか否か、という問題（同一性の問題）。
ホラー作品としての影響も大きいですね。
モクモクれん先生は筋金入りのホラー好きで、「ほんとにあった怖い話」や「怪談新耳袋」といったJホラーや、POVホラー映画から影響を受けていると語っています。
ショッキングな描写よりも、「わけがわからないものが怖い」という感覚、つまり、怖さが来る直前の「ゾワゾワする感覚」を大切にしているのが、この作品の不気味さの秘密なんです。
物語の舞台となっている田舎の集落は、先生のおばあさんの家があった、山と海との境にある狭い集落がモデルになっているそうですよ。
作中で話される方言は、三重弁を参考にしているとのことです。
また、この作品がTikTokで「めっちゃ好き」というセリフと共に大ヒットしたことも、注目度を上げる大きなきっかけになりましたね。
一部では「チェンソーマンに似ている」という声もありますが、絵柄やダークな世界観に共通点が見られるものの、物語の深掘り方や演出はそれぞれ独自のものを持っています。
個人的には、どちらも魅力的な作品ですが、根本的なホラーの方向性は異なると感じます。
光が死んだ夏ネタバレ考察｜原作の漫画は完結？最終回の結末は？
さて、気になる原作漫画の最終回の結末についてですが、実はまだ物語は続いているんですよ。
「穴閉じ編」という最終章に入ったと作者のモクモクれん先生は話しているのですが、それがまだ折り返し地点だそうで、最終的には12巻から15巻くらいになるだろうと予想されています。
現時点（2025年7月）では、第7巻まで発売されていますね。
物語が進むにつれて、ヒカルの正体が「ナニカ」や「ノウヌキ様」ではなく、「落とし子」と呼ばれる存在であることが明らかになってきます。
「落とし子」とは、「あの世からやってきて現実をねじ曲げる、人知を超えた不滅で不可知な存在」と説明されています。
ヒカルが光の姿をしているのは、死に瀕していた光が「よしきを一人にしたくない」と強く願ったことで、「落とし子」がその願いを叶えるために光の体に入り込み、修復して成り代わったからなんです。
村には「あの世と現世をつなぐ穴」が存在し、そこから「ケガレ」という悪霊のようなものが流れ込んでいます。
ヒカル（落とし子）が山にいたことで、この「穴」の広がりが抑えられていたのですが、彼が山から降りてきたことで村に異変が大きくなっていきます。
最終的な結末はまだ描かれていませんが、よしきとヒカルの関係性、そして村の運命がどうなるのか、目が離せませんね。
光が死んだ夏｜登場人物・相関図
物語を彩るおもな登場人物は、彼らが織りなす関係性が本当に魅力的です。
主人公の辻中佳紀（よしき）は、光の幼馴染で親友です。
彼は半年前に山から戻ってきた光が、実は「ナニカ」にすり替わっていることにいち早く気づく唯一の人物です。
冷静で少し影のある雰囲気を持っていますが、内向的でネガティブ思考なところも。
家族との関係や田舎の閉鎖的な環境に悩む思春期の少年ですが、ヒカルに対しては、友情を超えた深い執着や愛情のようなものを抱いているのが、読んでいて切なくなります。
彼を演じるのは、クールな役から感情豊かな役までこなす声優の小林千晃さんです。
そして、よしきの幼馴染である忌堂光（ひかる）、またはその姿を借りた「ヒカル」ですね。
本来の光は、山での事故によって命を落としています。
ヒカルは光の記憶を受け継ぎ、見た目も声も光そっくりですが、痛みを感じないなど、人とは本質的に異なる存在です。
純粋で好奇心旺盛な子供のような性格をしていますが、人の倫理観には欠けている危うさも持ち合わせています。
特に、よしきに対しては異常なほどの執着心を見せ、「めっちゃ好き」とストレートに好意を伝えますが、それが人間的な恋愛感情とは異なる、まるで親鳥に懐く雛のような、純粋で絶対的な「親愛」であるところが、彼の特異性を際立たせています。
ヒカルの声優は梅田修一朗さんで、その無邪気さと不気味さが同居した演技は、まさにヒカルという存在そのものですね。
その他にも、霊感が強くヒカルの異質さに気づくクラスメイトの山岸朝子（やまぎし あさこ）。
よしきの相談相手となり、自身も過去に同じような経験を持つ主婦の暮林理恵（くればやし りえ）。
そして、人知を超えた存在「落とし子」を追う謎の「会社」から派遣された田中（たなか）。
彼らは皆、物語を深くする重要なキャラクターたちです。
光が死んだ夏｜面白い？
最後に、この作品の見どころを熱く語らせてください。
まず、青春とホラーの絶妙なバランスが本当に素晴らしいです。
ただ怖いだけでなく、よしきとヒカルの歪んだ友情、いや、もはや愛情ともいえる「ブロマンス」の描写が、読者の心を鷲掴みにします。
薄暗い体育倉庫での、よしきがヒカルの中に手を入れるシーンなんかは、ドキドキと背徳感が入り混じって、忘れられませんね。
アニメーションのクオリティも高く、原作の不気味な雰囲気をさらに増幅させています。
特にセミの演出は、夏の気味悪さとジャパニーズホラーらしさが最高に表現されていました。
そして、田舎町の閉鎖的な空気感や土着信仰にまつわる謎が、物語全体に不穏な緊張感を与えています。
「クビタチ」「ウデカリ」「アシドリ」といった、身体の部位の名前が入った村の地名も、薄気味悪くてゾクゾクしますよね。
OPテーマのVaundyさんの「再会」は、かっこよさと不気味さが作品の雰囲気にぴったりで、EDテーマのTOOBOEさんの「あなたはかいぶつ」は、よしきと光の切ない思い出を描いていて、胸が締め付けられます。
まとめ
この作品は、単なるホラーを超えて、喪失、依存、そしてアイデンティティといった普遍的なテーマを深く掘り下げています。
「気持ち悪いのに、なぜか読まずにはいられない」という、一度足を踏み入れたら抜け出せないような、まさに中毒性のある物語なんです。
アニメも原作も、今後の展開から目が離せませんよ。
