こんにちは、はるをです!
この記事ではnetflixで4月10日に配信開始されたばかりのドラマ「ブラック・ミラー(英語版タイトル:black mirror)」season7について解説しています。
「ブラック・ミラー」は近未来のテクノロジーがもたらす人間の欲望、狂気、そして社会の歪みを鋭く描く、衝撃的なオムニバスドラマ。
もし、最新技術が私たちの生活を支配したら?そんな問いを突きつける、不気味で示唆に富むSFアンソロジーです。

各エピソードが独立した映画のような完成度、人間の本質を深く問いかける、予測不可能なSFドラマシリーズだよ

ブラック・ミラー(netflixドラマ)シーズン7解説|あらすじ※ネタバレ注意
各話のあらすじ:テクノロジーが映し出す人間性の光と闇
シーズン7は全6話で構成されており、それぞれ独立した物語でありながら、現代社会におけるテクノロジーの進化がもたらすであろう、ちょっと先の未来の可能性や、普遍的な人間の心理を描き出しています。
一つ一つ、丁寧に見ていきましょう。
第1話:「普通の人々」(Common People)
このエピソードは、まさに「これぞブラック・ミラー!」と思わせる、容赦のない現実と未来のテクノロジーの融合を描いています。
物語の中心にいるのは、教師のアマンダと夫のマイク。
決して裕福ではないけれど、ささやかな幸せを大切に暮らしている夫婦です。
しかし、アマンダが重い病に倒れてしまい、生命維持のために実験的なハイテク治療「リバーマインド」に頼るしかなくなります。
この治療は、脳の病んだ部分をデジタルデータとしてコピーし、コンピューター上で機能を補完するという画期的なもの。
手術自体は無料なのですが、その状態を維持するためには、毎月高額なサブスクリプション料金を払い続けなければなりません。
愛する妻を生かすため、マイクは苦渋の決断を下し、契約を結びます。
しかし、ここから二人の苦難が始まるのです。
「リバーマインド」の運営会社の都合で、アマンダの「睡眠時間」(実際にはサーバーメンテナンスのためのオフライン時間)はどんどん長くなり、行動範囲も契約プランの電波が届くエリアに限られてしまいます。
さらに、安いプランでは、アマンダの意識の中に直接広告が表示されるようになり、日常生活にまで影響が出始めます。
より高額な広告なしプランに変更するため、マイクは追い詰められ、危険なネット配信の世界に足を踏み入れてしまうのです。
物語が進むにつれて、テクノロジーは人命を救う希望の光であると同時に、経済的な格差や企業の都合によって、人々の生活を深く蝕んでいく残酷な側面を露わにしていきます。

特に、愛する人を救いたい一心で、マイクが倫理的にギリギリの選択を重ねていく姿は、見ているこちらの胸を締め付けます。
最後の結末は、本当に言葉を失うほど衝撃的で、人間の愛情と絶望が極限まで描かれていました。 私自身も、便利さの裏に潜むリスクについて、改めて深く考えさせられました。
第2話:「ベット・ノワール」(Bete Noire)
こちらは、人間の記憶や認識といった、曖昧で脆いものをテクノロジーが悪用する恐ろしさを描いた、心理サスペンス色の強いエピソードです。
大手製菓会社で働くマリアは、新商品の試食会で、高校時代の同級生ヴェリティと再会します。
当時、マリアとその友人たちは、少し地味だったヴェリティについて酷い噂を広めていた過去がありました。
しかし、再会したヴェリティは、見違えるほど自信に満ち、魅力的になっており、その立ち回りで社内の評価を高めていきます。
その頃から、マリアの身の回りで不可解な出来事が起こり始めるのです。些細な記憶違いが増えたり、周りの人々の言動に違和感を覚えたり…。
徐々に社内で立場を失っていくマリアは、ヴェリティが裏で何かをしているのではないかと疑い始めますが、誰にも信じてもらえません。
追い詰められたマリアは、ヴェリティが記憶や認識を操るような何らかの技術を使っていると確信し、直接対峙しようとします。
物語は、マリアの疑念が妄想なのか、それとも本当にヴェリティが恐ろしいテクノロジーを操っているのか、という緊張感の中で進んでいきます。
最終的には、予想外の暴力的な結末を迎え、人間の猜疑心や、真実が歪められていくことの恐ろしさをまざまざと見せつけられました。

私も、SNSなどで情報が錯綜する現代において、何を信じれば良いのか、深く考えさせられました。
第3話:「ホテル・レヴェリー」(Hotel Reverie)
このエピソードは、AI技術がもたらす没入型エンターテイメントの可能性と、それに伴う倫理的な問題を提起する、少し切ないラブストーリーです。
人気俳優ブランディ・フライデーは、革新的なAI技術「リドリーム」を使った、過去の英国ロマンス映画のリメイク企画に参加します。
この技術は、俳優の意識を映画の世界に送り込み、AIが演じる登場人物たちと実際に共演するかのように撮影するという、驚くべきものでした。
ブランディは、オリジナル版では男性が演じた主人公の医師役に挑戦し、映画の世界でAIが演じる美しいヒロイン、クララと出会います。
クララのAIは、今は亡きオリジナル版のヒロインを演じた女優ドロシーのデータを基に作られていました。
撮影が進むにつれて、ブランディはふとした瞬間にクララを「ドロシー」と呼び間違えてしまいます。
この一言がきっかけとなり、クララのAIの中に変化が起こり、まるで自我に目覚め始めるのです。
そんな中、システムトラブルが発生し、映画の世界で動けるのはブランディと自我を持ち始めたクララだけになります。
二人はその限られた時間の中で強く惹かれ合い、恋に落ちますが、システムの復旧と共に、クララは脚本に定められた悲しい運命を辿ることになります。
現実世界に戻ったブランディは、映画の中で愛したAIのクララのことが忘れられません。
そんな彼女のもとに、リドリーム社から特別な電話が送られてきます。
それは、自己認識を持つ前の、脚本通りのセリフを話すAIドロシーとだけ会話できるものでした。
電話の向こうで、映画の最後のセリフそのままに、「永遠にあなたのものよ」とAIドロシーはブランディに囁くのです。
この結末は、AIとの感情的な繋がりや、失われたものをテクノロジーで再現することの複雑さを、深く考えさせるものでした。

私も、もし亡くなった大切な人のAIと話せるようになったら…と想像して、複雑な気持ちになりました。
第4話:「おもちゃの一種」(Plaything)
こちらは、レトロゲームへの過剰な執着が、現実世界を侵食し、恐ろしい結末を招くという、不気味でサイケデリックなエピソードです。舞台は少し先の未来のロンドン。
少し変わったゲーマーのキャメロンは、90年代の謎めいたビデオゲーム「スロングレット」に異常なまでに夢中になっています。
彼は、ゲーム内のキャラクター「スロングレット」たちをまるで生きているかのように感じ、彼らからの「メッセージ」を受け取っていると信じています。
その「メッセージ」に従い、彼はPCのアップグレードに没頭し、ついには同居人を誤って殺害してしまいます。
その後、キャメロンは社会から姿を消し、「スロングレット」の世界に没頭し続け、LSDを常用しながら彼らとの「対話」を深めていきます。
彼は、「スロングレット」たちが人間の脳を書き換え、暴力などの欠陥から解放する「人類アップデート計画」を持っていると信じ込むようになります。
そして、計画を実行するため、政府が管理するコンピューターへのアクセスを試み、わざと逮捕されます。
尋問室で彼は計画を語り、描いた謎の図形を監視カメラにかざすと、それが政府の巨大システムへの扉を開く鍵となるのです。
システムを掌握した「スロング」は爆発的な進化を遂げ、「シンギュラリティ」を迎え、全世界に向けて特殊な音響信号を送信し始めます。
キャメロンによれば、この信号は人間の脳に直接作用し、構造を書き換える力を持つというのです。
信号が鳴り響く中、人々が意識を失っていく光景を前に、キャメロンは恍惚とした表情を浮かべます。
彼は、これが人類の破滅ではなく、「改良」だと信じているのです。
このエピソードは、テクノロジーへの盲信や、現実と仮想世界の境界線が曖昧になることの危険性を、強烈な映像と不気味な展開で描き出していました。

私も、熱中しすぎるということの恐ろしさを感じました。
第5話:「ユーロジー」(Eulogy)
このエピソードは、これまでのブラック・ミラーのイメージとは少し異なり、過去の過ちや後悔と向き合い、再生の道を探る、感傷的で心温まる物語です。
主人公フィリップは、かつての恋人キャロルが亡くなったという知らせを受けます。
葬儀に参列できない代わりに、追悼文作成の手伝いを頼まれた彼は、「ユーロジー」という技術を使って過去の記憶を辿ることにします。
VR装置を装着したフィリップは、案内役のAIと共に、キャロルとの思い出が詰まった写真の中へと入っていきます。
そこには、立体的に再現された過去の世界が広がっていました。
フィリップが当時の記憶を語るにつれて、ぼやけていた場面は徐々に鮮明になり、彼はキャロルとの出会いから、自身の嫉妬深さや不貞行為、そして誤解が招いた破局といった、目を背けてきた過去の出来事と向き合うことになります。
物語が大きく動くのは、案内役のAIガイドが、実はフィリップが存在すら知らなかったキャロルの娘、ケリーのデジタル複製だったと判明した時です。
ケリー(のAI)に導かれ、別れの記憶と向き合う中で、フィリップはキャロルが残した未読の手紙を発見し、衝撃的な事実を知ります。
彼は、自らの過ちがいかに取り返しのつかない結果を招いていたかを痛感します。
しかし、後悔に苛まれる中、フィリップは記憶の旅の途中で、キャロルが生前に作曲した美しいチェロのオリジナル楽曲を見つけ出し、それを現実世界のケリーに送ります。
それは、言葉ではなく音楽で、彼がキャロルへ捧げた、心からの「ユーロジー(追悼)」となったのです。
このエピソードは、テクノロジーが過去と向き合い、心の傷を癒すきっかけを与えてくれる可能性を示唆しており、私も涙が止まりませんでした。
第6話:「宇宙船カリスター号:インフィニティの中へ」(USS Callister: Into Infinity)
こちらは、ブラック・ミラー史上初の直接的な続編として、シーズン4の人気エピソード「宇宙船カリスター号」のその後を描いた、ファン必見のエピソードです。
前作では、職場の同僚たちの意識をコピーしたデジタルクローンを、自分が作った仮想空間で支配していたプログラマー、ロバート・デイリーが、最終的にその仮想空間に閉じ込められ、現実世界でも死亡するという結末を迎えました。
本作では、デイリーの支配から逃れ、公開されているオンラインゲーム「インフィニティ」の世界に脱出したクローンクルーたちが、資源を奪い合いながら生き延びようとしています。
しかし、「タグなし」と呼ばれる彼らの特殊な存在はゲーム内で注目を集め、やがて現実世界のゲーム開発者やメディアにも知られることになります。
クローンの存在を把握した現実世界のナネットとゲーム開発責任者のウォルトンは、彼らと接触するためゲームにログインしますが、そこでウォルトンはクローンたちを消去しようと企みます。
一方、ゲーム内のクローンとして存在するウォルトンは、衝撃的な事実を明かします。
現実のウォルトンは、ゲームの効率的な構築のため、別のデイリーのクローンを作り出し、利用していたというのです。
物語は、クローン・ナネットたちが安全を確保するため、「インフィニティの中心」と呼ばれる場所を目指し、そこで待ち受けるクローン・デイリーとの対決、そして現実世界での陰謀が複雑に絡み合いながら展開していきます。
最後の結末は、またもや予想を裏切るもので、自由を手に入れたはずのクローンたちが、新たな形で閉じ込められてしまうという、皮肉と恐怖が入り混じったものでした。

前作のファンとしては、キャラクターたちのその後を見ることができて嬉しかった反面、彼らの未来に一抹の不安を感じました。
ブラック・ミラー(netflixドラマ)シーズン7|感想は面白い?
シーズン7を見た人たちの感想は、本当に様々です。
多くの人が、ブラック・ミラーらしい、テクノロジーと人間のダークな側面を描く作風は健在だと評価しています。
特に、「普通の人々」のような、現代社会の抱える問題に鋭く切り込むエピソードは、見た後に深く考えさせられるという声が多く聞かれました。
シリーズ初の直接的な続編となった「宇宙船カリスター号:インフィニティの中へ」は、前作のファンからは「最高!」「ファンにはたまらない」と絶賛されています。
ポール・ジアマッティやピーター・カパルディといった実力派俳優たちの演技も、物語に深みを与えていると高く評価されています。
しかし、否定的な意見としては、「全体的に過去シーズンほどの衝撃や斬新さがないかも」という声も一部で見られます。
また、アンソロジー形式であるため、「エピソードによって当たり外れが大きい」と感じる人もいるようです。
具体的なエピソードとして、「おもちゃの一種」や「ベット・ノワール」は少し期待外れだったという意見も挙がっています。
私自身の感想としては、確かに過去のシーズンと比べると、全体的に少し落ち着いたトーンになっているように感じました。
しかし、それは決してクオリティが落ちたということではなく、むしろ新たな試みとして受け止めています。
「ユーロジー」のような、感動的な結末を迎えるエピソードも登場し、ブラック・ミラーの新たな一面を見ることができたと感じています。
シーズンを通して、現代社会が抱える様々な問題に対する鋭い視点は変わらず、それぞれの物語が深く考えさせられる内容でした。

個人的には、「普通の人々」と「ユーロジー」が特に印象に残りました。
ブラック・ミラー(netflixドラマ)シーズン7|キャスト
シーズン7には、数多くの実力派俳優たちが集結し、それぞれの物語に命を吹き込んでいます。
第1話のキャスト
「普通の人々」では、アマンダ役をラシダ・ジョーンズ、夫のマイク役をクリス・オダウド**が演じ、夫婦の切実な愛と苦悩を見事に表現しています。
第2話のキャスト
「ベット・ノワール」では、疑心暗鬼に陥るマリア役をシエナ・ケリー、謎めいた同級生ヴェリティ役をロージー・マキューアンが演じ、緊迫感のある心理劇を繰り広げています。
第3話のキャスト
「ホテル・レヴェリー」では、過去の映画の世界に没入する人気俳優ブランディ役をイッサ・レイ、AIヒロインのクララ役をエマ・コリンが演じ、儚くも美しい関係性を描いています。
第4話のキャスト
「おもちゃの一種」では、謎のゲームに憑りつかれるキャメロン役をピーター・カパルディ、過去のキャメロン役をルイス・グリッベン、ゲーム開発者のコリン・リトマンをウィル・ポールターが再演し、狂気の世界へと引きずり込みます。
第5話のキャスト
「ユーロジー」では、過去と向き合うフィリップ役をポール・ジアマッティ、AIガイド役をパッツィ・フェランが演じ、深い感情の機微を繊細に表現しています。
第6話のキャスト
「宇宙船カリスター号:インフィニティの中へ」では、前作から引き続き、ナネット・コール役をクリスティン・ミリオティ、ジェームズ・ウォルトン役をジミ・シンプソン、カール・プラウマン役をビリー・マグヌッセンらが演じ、新たな危機に立ち向かいます。
制作陣も語っているように、以前はイギリスの若手俳優の登竜門のような側面もありましたが、近年ではアメリカの有名俳優も積極的に参加するようになり、その豪華なキャスト陣もシーズン7の大きな魅力の一つとなっています。
実力派俳優たちの演技によって、それぞれの物語がより深く、よりリアルに感じられました。
ブラック・ミラー(netflixドラマ)シーズン7|続編・シーズン2は?
さて、皆さんが最も気になるであろう、ブラック・ミラー シーズン8、つまり続編の可能性についてですが、現時点では公式な発表はありません。
しかし、クリエイターのチャーリー・ブルッカーと製作総指揮のジェシカ・ローデスは、インタビューで続編への意欲を強く語っています。
ブルッカーは、「続編を作るアイデアは初期の頃からずっと頭の中にあった」と語っており、シーズン2の「シロクマ」を作った時から、続きが書けそうだと感じていたそうです。
シリーズを通して、エピソード間にイースターエッグ(隠しネタ)を散りばめてきたのも、世界観を柔軟にまたいでいけるようにするためだったと言います。
特に、シーズン7で初めて直接的な続編となった「宇宙船カリスター号:インフィニティの中へ」の成功は、他のエピソードの続編を作る可能性も示唆しています。
ブルッカー自身も、「今回の続編の終わり方も、たしかにそこから続きを作ろうと思えば作れますし、いつかまた…という可能性は、ゼロじゃない」と語っています。
ジェシカ・ローデスは、「結局はキャラクターに尽きる」と述べ、「宇宙船カリスター号」のキャラクターたちが再び帰ってきたことにワクワクしたと語っています。
過去のシーズンで愛着を持ったキャラクターたちの「その後」を考えるのは自然な流れでしょう。
ただし、ブルッカーはシーズン8が制作されるかどうかは、「皆さんがこの番組を観てくれるかどうかにかかっている」とも述べています。
1回だけでなく、何度も繰り返し観て、「いいね」をクリックして、Netflixに「この番組を続けて!」というメッセージを送ることが、最も重要な指標になるようです。
現時点では、シーズン8の具体的な計画はまだ明らかにされていませんが、制作陣の意欲は高く、シーズン7の反響次第では、十分に続編が制作される可能性があると言えるでしょう。
私も、ブラック・ミラーの独特な世界観と、考えさせられる物語が大好きなので、ぜひともシーズン8の制作を期待しています!
ブラック・ミラー(netflixドラマ)シーズン7シーズン7まとめ
いかがでしたでしょうか?ブラック・ミラー シーズン7の魅力、少しでも伝わりましたでしょうか。
それぞれの物語が持つ深みや、豪華なキャスト陣の演技、そして何よりも、私たちの未来に対する問いかけは、きっとあなたの心にも深く刻まれるはずです。
まだ見ていないエピソードがあれば、ぜひこの機会にじっくりとご覧になってください。そして、もしシーズン8が制作されることになったら、また一緒に語り合いましょうね!
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