XのDMが消えた?「チャット」機能移行で混乱するユーザーが知るべき仕様と対処法
先日、X(旧Twitter)のDMタブが突然「チャット」に変わってしまい、戸惑った人も多いんじゃないでしょうか。
「DMどこ行った?」「なんかパスコード求められたんだけど、これ有料なの?」って、私も含め、SNSで情報収集を始めた人が激増しています,,。
x(旧twitter)DMがチャットになった?
■変更の背景と経緯
この大規模な仕様変更は、Xが単なる投稿プラットフォームから、多機能な「スーパーアプリ」へと進化するための戦略的な大転換なんです,。
まず、この変更の根幹にあるのは、セキュリティの劇的な強化です。
従来のDM機能は、X社側がメッセージ内容を閲覧できる状態にあり、プライバシーやセキュリティの面で課題を抱えていました。
これに対し、Xは「Bitcoinのような強固な暗号化」を導入するという予告通り、メッセージ、ファイル、メディアのすべてを保護するエンドツーエンド暗号化(E2EE)を全面的に採用するために、システムを根底から置き換える必要がありました,,。
Xは、SignalやWhatsAppといったプライバシー重視のメッセンジャーと肩を並べる、より洗練されたコミュニケーション層を構築したいと考えているわけです,。
時系列で見てみると、2025年4月頃にDM置き換えの噂が浮上し、9月から10月にかけてベータテストが一部のユーザーで始まりました。
そして、2025年11月にiOSとWeb版で公式ロールアウトが本格化し、日本のユーザーの多くが「突然UIが変わった」「パスコード設定を強制された」と気づき始めたのが12月上旬だったようです,。
この移行は全ユーザーに対して強制適用されており、私たちが慣れ親しんだ古いDMシステムは、新システムに統合されてしまった、というのが実情ですね,。
Xチャットの詳細な新仕様
新しい「チャット」の仕様は、従来のDMに比べて格段に複雑になっていますが、その分、現代的なメッセージングアプリに必要な機能がほぼ全て搭載されています。
まず、チャットを始める前に誰もが驚くのが、パスコードの設定です,。
初めてチャット機能を使う際、ユーザーごとに固有の秘密鍵と公開鍵のペアが作成されるのですが、この秘密鍵を安全に管理するために、PIN(パスコード)の入力が必須となります,。
これは端末から外に出ない仕組みで、もしデバイスを紛失しても、このPINさえ知っていれば他のデバイスから暗号化されたチャットにアクセスできる、という仕組みですね,。
このパスコードを設定しないと、チャット機能そのものがロックされてしまい、メッセージの送受信ができなくなる点には注意が必要です。
そして、新チャットの目玉機能は多岐にわたります。
メッセージの内容だけでなく、リンク、ファイル、メディア、そしてリアクションまでもがE2EEで保護されるようになりました,。
さらに、単なるテキスト交換を超えた機能として、ボイス通話やビデオ通話がサポートされています,,。
「メッセージを間違えて送った!」という時に助かる送信後の編集機能や削除(送信取り消し)も、暗号化されたメッセージでのみ利用可能になりました,,,。
また、プライバシー機能として、設定した期間が過ぎるとデバイスとXのサーバーからメッセージが自動で削除される「消えるメッセージ」も選択できます,,。
ただし、どんなメッセージングアプリでもそうですが、暗号化されるのは「メッセージの内容」であり、メタデータ(誰が誰に送ったか、いつ作成されたかなど)は暗号化されないことが公式にアナウンスされています,,,。
XチャットとDMの決定的な違い
「チャット」は旧「DM(メッセージ)」の名称が変わっただけでなく、その役割と機能が大きく異なります。
| 項目 | 従来のDM (Messages) | 新しいXチャット (Chats) |
|---|---|---|
| 暗号化 | 部分的(X社が閲覧可能), | 完全E2EE(メッセージ、メディア、ファイルすべて保護), |
| アクセス | 即時アクセス可能 | パスコード設定が必須(初回起動時) |
| 通話機能 | なし | ボイス通話・ビデオ通話を追加, |
| メッセージ機能 | 編集・消滅メッセージなし | 編集・送信取り消し・消滅メッセージを追加,, |
| 削除された機能 | ボイスメモ(音声メッセージ),、グループメンバー編集 | |
| 報告機能 | メッセージ内容の報告が可能 | 暗号化されているため、メッセージ内容は報告不可(アカウント報告のみ),, |
最大の違いは、やはりE2EEの有無と、それに付随するパスコード設定の強制ですね,,。
E2EEはプライバシー保護の面では大歓迎ですが、これにより、以前は便利だった機能が使えなくなってしまったのは痛いところです。
特に、慣れ親しんだボイスメモ機能が使えなくなったことには、多くのユーザーが不満を漏らしています,。
また、取引相手とのやり取りなどで重要な「メッセージリクエスト」の表示場所も変わりました。
従来のDMではシンプルだったUIが、「チャット」に統一されたことで、「ピン留めと通常チャットが混ざって新着が分かりにくい」といった、使い勝手に関する否定的な意見も多く聞かれます,。
私が実際に使ってみて困ったのは、設定に関わらずEnterキーでメッセージが即送信されてしまうバグ(報告あり)で、これは本当に仕事に支障が出るレベルで困りました。
x(旧twitter)DMがチャットになった対処法と今後について
突然の仕様変更で戸惑うのは当然です。
私自身、新しいUIに慣れるまでは時間がかかりましたが、この変更は不可逆(元には戻せない)なものなので,、まずは新しいルールを理解して適応していくことが重要です。
【すぐに試すべき対処法】
- 最優先でパスコードを設定し、絶対に忘れない: チャットの初回起動時に表示される4桁のPINを設定してください,。パスコードを忘れると、ログイン済みのデバイスからリセットは可能ですが、その場合、暗号化された会話の履歴を回復できなくなります,,。これはデータ損失に直結するので、パスコードの管理は徹底しましょう。
- DMリクエストは「Demands」でチェック: 従来のDMリクエストは「Chats」タブ内の「Demands」ボタンに移動しています,。お取引や重要な連絡を見落とさないように、こまめに確認することをおすすめします。
- 不便な機能の代替を検討: ボイスメッセージやグループ管理など、現状の「チャット」で使えない機能が業務上必須の場合は、一時的に他のアプリ(WhatsApp、Discordなど)への移行を検討する方が賢明かもしれません,。
【今後のセキュリティと機能の展望】
Xは、まだセキュリティ面で未完成な部分があることを正直に公開しています。
現時点では、悪意のある内部関係者やX自身が会話を侵害した場合でも、ユーザー側に通知されないという「中間者攻撃」への保護がありません,,。
しかし、Xは今後、セーフティナンバー(安全番号)という、チャット相手が本人であることを検証するための比較機能や,、秘密鍵を定期的に変更する前方秘匿性(Forward secrecy)の導入など,、セキュリティレベルを高めるメカニズムを開発中です,。
将来的には、より安全で多機能なプラットフォームになることは間違いありません。
今は「プラットフォーム側からユーザーに押し付けられた変更」という印象が強いですが、この混沌とした過渡期を乗り越えれば、より安心して使えるプライベートな空間がXの中に生まれるはずです。
まとめ
Xの「DM」から「チャット」への移行は、従来のシンプルさを犠牲にして、プライバシーと多機能性を手に入れるという、Xの「スーパーアプリ」化に向けた大きな一歩です,。
この変更は、メッセージのE2EE化や、通話・編集機能の追加といったメリットをもたらす一方で,、パスコード設定の強制や、ボイスメモの削除など、多くのユーザーの混乱を引き起こしています,。
混乱の主な原因は、急なUI変更とパスコード必須化にありますが、冷静に対処すれば、利用料金が突然発生することはありません(チャット機能は基本的に無料です)。
まずは、PINコードを確実に設定し、新機能を試しながら、この新しい「チャット」インターフェースに慣れていきましょう。
これは、プラットフォームが次の段階へ進化する際に必ず伴う「成長痛」のようなものです。少しの不便は我慢しつつ、私も皆さんと一緒に、この変化の波を楽しんでいきたいと思っています!
